写真:水野克比古

日本人とは何者なのか、を問い続けて

有林重仁(著述家)著

ジャンル[日本人論・日本文化論]
2017年10月30日発行
四六判上製・280頁
定価:3,000円

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桜の「宴」に参加して酒を呑み、且つ食らい合い、
共に花を愛でる日本人とは、いったい何なのか。
在野の独学者によるユニークな日本人論!

──日本人とは、日本人とは何かという問を、
頻(しき)りに発して倦(う)むことのない国民である。
今その問と答の歴史を詳しく省みる暇はないが、(中略)
殊(こと)に明治以後に著しいとだけいっておこう。
日本人とは何かという問が繰返されるのは、日本人であることが、
何を意味するのか、はっきりしないからにちがいない。
なぜはっきりしないのだろうか。(加藤周一『現代倫理講座』筑摩書房、1958、
『日本人とは何か』講談社学術文庫、1976)

著者・有林重仁は、青年期の或る時、父親から「21世紀を生きるものは、
英語ぐらい話さなければならない」と説諭され、長じて英国南部ドーバー海峡に
面した小さな町ホーブの典型的なイギリス人家庭・デニス家の家族7人と、
ともに暮らすことになった。
そして、彼らの「個をもって主体的に生きよ」という有り様、
主体的な行動を認識することになる。
帰国後に、語学スクールのマネージャーに職を得て、
諸外国の人々と接し、さらに世界体験を重ねた。
そうした豊かな異文化理解から導き出される所説は、
オリジナリティを持つ説得的なものである。
本書は、グローバルとナショナルが相剋(そうこく)し、せめぎあう文化の時代と
生き方を捉え直す。受動的・客体的日本人から「個」=主体を生きること、
自己の存在価値を自ら決める人間として生きることの意味を探す。
10年間に亙って執筆し、推敲を重ね結実した、渾身の人生論ノートでもある。

[目次]

序にかえて
第一章「家」と日本文化
第二章立場の存在
第三章かたがき化
第四章建て(立て)論理と曖昧さ
第五章他人の存在
第六章日本人は客体である
第七章主体的人々
結びに「日本人とは何者なのか」を問い続けて

有林重仁(ありばやし・しげひと)

1949年、鹿児島県奄美群島沖永良部島生まれ。
鹿児島県沖永良部高等学校卒。ユーロ—センター(英国ブライトン)、フランセスキング・イングリッシュスクール(ロンドン)卒。
いすゞ自動車、富士通などを経て、現在は著述家。

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